切手の店を開こう計画 その30

20年以上も前の話になりますが、私の切手の師匠とも言える方が初めて私の家に来ていただいたときのことです。
その方は月刊郵趣の通信欄で同値交換募集をされていいました。
私が同値交換をさせていただいたのがそのきっかけでした。
当時その方は大学の物理学の教授をされていて、翌年には退官して切手を中心に生活をすると張り切っていらした時期のことでした。
私は教授・切手の師匠・そして尊敬を含めて「先生」とお呼びしていました。
安物の白ワインを飲みながら切手の話だけでなく人生についても語り合いました。
話の中身は結構思い出せるのですが、先生が切手を集めるきっかけが何だったのか思いだせません。
あまりにも先生と切手の違和感がなかったため印象に残らなかったのだと思います。
趣味はスコットのカタログを見ることとおっしゃっていましたがとにかくよくご存知で、私が国名も分からず整理できなかった切手の国名をことごとく教えてくださいました。
白黒で印刷されていたカタログでも覚えられるのは、本当にスコットを見ている時間が長いことと相当沢山の切手を持っているからだろうと感心させられました。
大変立派な家の床が抜けてしまうほどのコレクションをお持ちでした。
残念ながら先生は亡くなられましたがその膨大なコレクションはどうなったのか分かりません。
私が切手の店を開こうと思うと話したら先生は何とおっしゃられるのでしょうか。